ビザ申請の準備、いつから始めるべき?インドの観光ビザを取得してみた
インドに入国するすべての日本人は、その目的や期間にかかわらず、必ずビザを取得しなければなりません。たった数日の観光旅行であったとしてもビザが必要になります。
ところがこのインドビザ、手続きや仕組みが非常に面倒ということで知られています。
筆者も2017年秋、初めてのインド旅行の際に観光ビザを申請したのですが、慣れないシステムに奮闘しながら数日がかりで取得しました。無事交付されたとき「なんとか終わった~」と胸をなでおろしたのをよく覚えています。
本記事では、これから初めてインド旅行に行く人向けに、観光ビザを取得する流れと、これにかかる手間や期間について、私自身の体験をベースにお話ししていきたいと思います。
旅行の場合に必要なビザは?
まずはビザについての基本情報をざっくりさらっていきましょう。
インドに観光旅行で入国したい場合、ビザの選択肢は3種類あります。(2019年1月21日現在)
- 観光ビザ(Tourist Visa)
- eツーリストビザ(e-Tourist Visa)
- アライバルビザ(Visa on Arrival)
私は観光ビザ(Tourist Visa)を取得しました。本記事でご紹介する情報も観光ビザについてのものになります。
各ビザの違いについては、下記のブログが非常に具体的で参考になります。ぜひ確認してみてくださいね。
インドのビザ申請で気をつけることは?
インドのビザを申請するにあたり、必ず押さえておきたい点が三つあります。
- 手間がかかります
- 規定が厳しいです
- 要件が急に変わります
なんというか、日本にいながらにして「ああ、もうインドは始まっているんだ……」という気持ちになります。
出発までに間に合わない!という致命的な事態を避けるためにも、この三点をしっかり踏まえて準備していきましょう。以下、各項目を詳しく見てみます。
1. 手間がかかる
特に観光ビザの場合、手続きがとても面倒です。取得の流れは後ほどご説明しますが、ざっくり言うと以下のような手順を踏みます。
- オンライン申請
- 必要書類を大使館へ提出・審査
- 後日受け取り
このうち、オンライン申請が極めて面倒! そして大使館への提出・審査が極めてスリリング!
入力項目はうんざりするほど多いし、大使館の窓口対応は不親切だし、書類が受理されるか確信が持てないし、受理されなかったらもう一度最初から作って出直しという、なんとも初心者の不安を煽るシステムになっています。
「そこまで面倒なのはちょっと……」という人は、旅行会社の代行申請サービスを利用したり、eツーリストビザやアライバルビザを検討してみるとよいでしょう。
2. 規定が厳しい
オンライン申請書類
ほんの少しの記入漏れやスペルミスが原因でNGを食らったという体験談が後を絶ちません。
オンライン申請書類に不備があった場合、手書きで修正することはできず、もう一度最初から作り直すことになります。
「できれば一発合格したい」「避けられるリスクは避けたい」という人は、代行申請サービスを利用するか、先人のブログを参考にしながら細心の注意を払って書類を作りましょう。
写真
写真の規定も厳しく、すべての条件をクリアした写真を自己撮影やスピード写真で用意するのはかなり難しいと思われます。確実性に欠けてリスキーなのでおすすめしません。
お金は多少かかりますが、パスポートセンターの写真屋さんでインドビザ用の写真である旨を伝えて撮影してもらえば間違いありません。
3. 要件が急に変わる
ビザの申請方法や取得条件が予告なく突然変わります。必ず最新の情報を得るようにしましょう。
ガイドブックなら最新版を、ネットで調べるなら記事の日付が新しいものを優先して参考にするとよいです。また情報源はひとつではなく、複数確認することを心がけると確実性が上がります。
観光ビザ取得の流れ
それでは観光ビザ(Tourist Visa)取得の流れを、私個人の事例とともにご紹介していきたいと思います。
なお、汎用的な情報や具体的なハウツーは下記二つのブログが非常に詳しいのでそちらにお任せします。取得の際はぜひ参考にしてみてください。
※ここから下はすべて、2017年9月時点の個人の経験に基づいた情報です。ビザ取得にあたっては必ず最新の情報をチェックするようにしてください。
1. 申請先を調べる
申請先は東京のインド大使館と大阪のインド総領事館の二つがあり、申請者の現住所によって申請先が異なります。まずは自分の住所がどちらの管轄になっているかを確認しましょう。
私の場合、神奈川県在住なので東京のインド大使館に申請しました。
2. 必要書類を揃える
- パスポート
- 証明写真1枚
- ビザ申請書(作り方は後述)
- インド出入国のEチケット
- 申請料
以上の書類を揃えて大使館に持っていきます。それぞれ細かい規定があるので、必ず別途調べて用意しましょう。
証明写真は必ずしもデータで用意する必要はありません。オンライン申請時、証明写真のデータをアップロードする場面がありますが、ここをスルーして、写真用紙に印刷されたものを糊付けするという形でもOKです。
申請料は現金で、おつりのないように準備しましょう。大使館の窓口でおつりを出してくれるとは限らないからです。私が申請に行ったときも、おつりは一切出していなかったと記憶しています。お金を崩しにわざわざ一旦外に出た人もいました。
パスポートはビザ発行までの数日間、大使館に預ける形になります。無事にビザが発給されれば、パスポートの査証欄にビザが貼りつけられた状態で返却されます。
3. オンライン申請をする
下記、オンラインポータルでビザ申請書を作成します。
入力項目が非常に多く、時間がかかります。まとまった時間を確保して一気に仕上げてしまいましょう。
あらかじめ以下のものを準備しておくとスムーズに入力できます。
- インド出入国のEチケット
- パスポート
- 本籍地
- 両親の国籍や出身地
- 婚姻相手の国籍や出身地
- 雇用先の企業名、住所、電話番号
- 過去10年の訪問国と年度
- インドで滞在するホテル名、住所、電話番号
くれぐれも記入漏れやスペルミスには気をつけましょう!
4. 大使館に持ち込む
場所と時間
書類は郵送で提出することもできますが、私の場合は出発まであまり余裕がなかったこともあり、大使館に直接持ち込みました。九段下駅から歩いて5分程度のところにあります。
月~金の9:00~11:00のみ申請を受け付けています。
窓口は非常に混みあっており、待ち時間も長いので、なるべく早めに到着するようにしましょう。私のときも、不備がなかったにもかかわらず1時間以上かかったと記憶しています。
大使館と窓口の様子
大使館に着いたら門番の人にビザの申請に来た旨を伝え、門を開けてもらいます。手荷物検査とボディーチェックを受け、右手の入口から建物内へ。
窓口左の発券機で整理券を受け取り、番号が呼ばれるまで待ちます。待合所にはそれなりの数の座席がありますが、だいたい常に人が溢れています。
後方には丸いカウンターテーブルがあり、写真貼りつけ用の糊が置いてありました。いつも置いてあるとは限りませんが、ありがたく使わせてもらいました。
呼ばれたら書類を一式提出して、窓口で受け取るか郵送で受け取るかを伝え、申請料を支払います。
スタッフさんの対応は無愛想極まりなく、おしゃべりしながら書類をさばいたり案内が雑だったりと実にフリーダムですが、びっくりしないように。ビザのオンライン申請をした時点からもうインドは始まっているのです。
提出と支払いが済んだら、大使館側のチェックが終わるまで待ちます。この待ち時間がまた長い……。
レシートの受け取り
チェックが終わると名前を呼ばれます。書類に不備がある場合はここで指導を受けます。
無事に受理されれば、窓口受取希望の場合、大きいレシートのようなものを提示され、サインを求められます。サインしたレシートは持ち帰り、ビザおよびパスポートの受け取りまで大切に保管しましょう。
レシートには受取開始日(この日以降なら受け取れる)と受取可能時間が書かれています。
以上で申請は終了です。
5. 大使館で受け取る
郵送での受け取りも可能ですが、私は大使館に出向いて受け取るほうを選びました。申請時に渡されたレシートを持って、受取開始日以降、営業日の受取可能時間中に窓口に向かいます。
このときも確か、整理券を取って待つという形だったと思います。待ち時間がとても長かったことはよく覚えています。
呼ばれたらレシートを提示して、ビザが貼りつけされたパスポートを受け取ります。
ただし、受け取ってもすぐに窓口から離れないこと! 自分のパスポートに間違いないか、ビザに記載されている情報に間違いがないか、必ず確認してから離れましょう。
ビザ記載の情報は以下のようなものです。
- 名前
- パスポート番号
- ビザの種類
- 入国可能回数
- 有効期間開始日(=ビザ発給日)
- 有効期間終了日
- 顔写真
申請時のレシートは領収書を兼ねているので、パスポートと一緒に持ち帰って大丈夫です。
以上で観光ビザの取得は完了です!
観光ビザ取得にかかる時間
このように、インドの観光ビザを取得するにはなかなかの手間と時間がかかります。
私の場合、大使館に申請に行ったのは渡航日の約半月前、かかった時間はおおむね以下の通りでした。ざっくりとではありますが、ご参考まで。
- 情報収集
- 半日
- 書類準備、写真撮影
- 半日
- オンライン申請
- 半日
- 大使館で申請
- 半日(平日午前)
- 発給待ち
- 2日
- 大使館で受取
- 半日(平日夕方)
⇒ 計:4.5日
初めての申請で、特段トラブルなく、最もスムーズに運んでこれくらいでした。書類不備で再提出とか、大使館がまさかのお休みとか、発給の日数が想定よりかかるとか、そういったハプニングがあればさらに延びます。
出発ぎりぎりに慌てて申請して、もしなんらかの事情で通らなかったら……ちょっと想像したくないですね。
ですので、申請は充分に余裕をもって行いましょう。思いもよらないことが突然起こる、それがインドクオリティ!(冗談でなく本当にそういうつもりでかかったほうがいいです)
まとめ
いかがだったでしょうか。インドの観光ビザ取得について、実体験をベースにお送りしてみました。あらためてまとめると以下のような感じです。
- 手間がかかり、
- 規定が厳しく、
- 要件が急に変わりうる。
- ハプニングも起こりやすいので、
- 余裕をもって申請しよう!
巷では、ビザ取得はインド渡航の最初の洗礼ともいわれています(私もこれにはかなり同意します)。今これを読んでくださっている方で、これから初めてインドビザを取得しようという方、ファイトです! 応援しております。
最後に、観光ビザ取得にあたって非常に参考になるおすすめのブログを、以下にもう一度ご紹介して終わりたいと思います。ライターのお二方、素晴らしい記事をありがとうございます。