2017秋・四泊五日北インド弾丸ツアー旅行記(ヴァーラーナシー~デリー~成田編)

2018年11月17日旅行記

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ヴァーラーナシー空港の飛行機

インド初心者向けに、同じ初心者目線から生の情報をお届けしている本ブログ。「お役立ち情報もいいけど、実際の旅の様子も知りたい」とのお声を受け、旅行記シリーズの連載を始めました。

最終回となる今回は、ヴァーラーナシー(バラナシ/ベナレス)の絹織物工場見学から帰国までの様子をお届けしていこうと思います。

この旅行記は複数記事にわたる続きものとなっています。第一回は下記のリンクからどうぞ。シリーズの概要、および旅の概要についてもあわせてご紹介しています。

前回の記事はこちらです。

四日目 @ヴァーラーナシー

絹織物工場その1

ガイドさん

ガイドさん

今から絹織物工場を見学しに行きます。

そう言われて専用車で連れてこられたのがこちら。

ヴァーラーナシーの絹織物工場の入口
謎の入口。
自分

自分

(ん? え? 何……?)

明らかに観光客が集まる場所じゃないし、工場って見た目でもない、謎の小さな建物。看板もない。人気もない。正直、これまでの数日間で信頼関係を築いたガイドさんの案内でなかったら、断って引き返したかもしれません。

意を決して中に入ってみると……。

ヴァーラーナシーの絹織物工場で作業している職人さん
機織り機に向かって作業中の職人さん。

一人の職人さんが黙々と作業していました。右上にぶら下がっている設計図を棒でつついて広げ、じっと読んでから、横糸を通してバタン。横糸を通してバタン。手前の糸をちまちまちまと通していって、またバタン。

ガイドさんが職人さんに何事か声をかけます。すると職人さんがおもむろに手元の布をめくりました。

ヴァーラーナシーの絹織物工場で作業の様子を見せてくれる職人さん
うわあああ! 綺麗……!

友人たちもろとも思わず感嘆の声をあげてしまいました。目にもまばゆい見事な絹織物!

ここでようやく思い知りました。これまで私たちがヴァーラーナシーでさんざん目にしてきた絹織物製品。バザールに土産屋、そこかしこに大量に並んで私たちの目を楽しませてくれていたあれは、つまりこうして職人さんの手によって糸の一本一本から織られていたのです。

絹織物工場と聞いて、自動化されたいわゆる工場を想像していた我々。相当に面食らいました。認識と見る目がガラリと変わった瞬間でした。

テイスト・キング

お昼にはガイドさんおすすめのカジュアルレストランに案内していただきました。テイスト・キング(Taste King)といって、現地の人々御用達のお店なんだそうです。

確か1Fは立食スタイルでした。私たちが利用したのは2F、テーブル席のいわゆるレストランです。小綺麗で雰囲気のよい店内です。

Taste Kingのメニュー表紙
メニューの表紙。

この記事を書いていてたった今気づきましたが、左下にベジ(Veg.)のマークがありますね。やっぱりベジタリアン対応のお店だったんだ……!

インドではベジタリアン向けの料理が一般的です。ヒンドゥー教、ジャイナ教、仏教など、インドで信仰されている多くの宗教で殺生が遠ざけられており、菜食主義が広く根付いているんですね。

インドの食文化については以下の記事で詳しくお話ししているので、ご興味のある方はぜひ。

Taste Kingのメニューの一部
メニューの一部。

北インド料理、米料理、タンドール(ナンなど窯焼きの主食)、南インド料理、ウッタパム(インド風お好み焼き)、イドゥリ(インド風蒸しパン)にワダ(インド風ドーナツ)。

お店を訪れた当時は何がなんだかまったくわからず、ガイドさんにすすめられるまま注文しましたが、あらためてひとつひとつ調べながら見てみるとワクワクしますね! ググるとマカロニのお料理もあったりして、めちゃくちゃおいしそうで気になる……!

このお店は南インド料理を提供しているのが特徴で、結構珍しいんだそうです。特に観光客向けではないローカルなお店ということもあり、この辺りを巡る普通のツアーでは滅多に食べられないそうですよ。

あと注目すべきはやはり値段でしょうか。ご覧くださいこの安さ! これがインドの物価だ!(2019年2月現在、1ルピー=1.56円)

Taste Kingで食べた丸い生地のお料理
平たい丸い生地のお料理。

名前を失念してしまったのですが、なかなかツアーでは食べられない珍しいお料理のひとつ。

Taste Kingで食べた米のお料理
お米と豆のお料理。

同上。

左上に写っている緑色のものは唐辛子とパクチーのペーストで、激辛です。二口目が食べられないほど辛いです。一つ上の平たい丸い生地のお料理につけて食べます。

あと写真はないのですが、飲み物は銘々シェイクをいただきました。ラッシーではなくシェイクというのも、この旅行では地味に初めて。甘くてほっとします。

ヴァーラーナシーのレストランで食べたドーサ
チーズのドーサ。

巨大な半月型のお料理が登場。先ほどのメニューで「南インド料理(OUR SOUTH INDIAN SELECTION)」の部分にあったお料理で、ドーサといいます。具材がたっぷり挟まったパリパリのクレープです。

上の写真はチーズのドーサ、大変おいしくいただけましたが、もうひとつ同じ見た目で出てきたマサラドーサは大惨事でした。激辛。多分、ざく切りの唐辛子がインゲンとかの野菜と同じノリで具材として挟まっていました。

絹織物工場その2

もう一件、別の絹織物工場を見学しに行きました。規模感は先ほどよりも大きめです。日本語を話せるスタッフさんが案内してくれました。

工房

ヴァーラーナシーの絹織物工場で作業している職人さん
機織り機で絶賛作業中の職人さん。
ヴァーラーナシーの絹織物工場で作業している職人さん
同じく、作業中の職人さん。

建物に比べて小ぢんまりとした工房。おそらくこうして観光客にデモンストレーションをするための小部屋なのでしょう。

以下の動画に解説の声が入っていますが、職人さんたちは大抵自宅で作業をしているようです。

ヴァーラーナシーの絹織物工房
織っているのはこんな布。

またしても制作中の布部分を見せていただきました。お見事すぎてため息しか出ません。

ヴァーラーナシーの絹織物工場で作業の様子を見せてくれる職人さん
圧巻の仕上がりです。

こちらのえんじ色の布も上品で素敵ですね。

絹織物の値段は素材、サイズ、模様の難しさなどで決まってくるそうです。絹100%だと高く、綿混はお安く。面積が大きいほど、難しい模様であるほど高く……といった具合。

たとえば上の二枚を比べた場合、価格としては青い布のほうがお高いのだそうです。素人目ですが、確かにこちらは色数が多く、質感や模様も繊細です。

えんじ色のほうは二色だけ、模様の密度は高いものの、一定のパターンを繰り返すタイプの柄ですね。難易度の差をなんとなく察することができます。

売り場

建物の二階はフロア丸ごと、広々とした絹織物製品の売り場になっていました。

日本語で案内してくれたりお茶を出してくださったりと、歓待の姿勢がすごかったです。こう、バブルに沸いていた頃の日本人観光客をこうしてもてなしていたんだろうな、きっと湯水のようにお金を使ってくれたんだろうな……みたいな。ちょっと罪悪感。

売り場はストール、服、タペストリー、テーブルウェア、バッグ、なんでもござれの品揃えでした。商品の質も非常によく、高級品からお手頃アイテムまで幅広いです。

スタッフさんたちの言い値も、外国人観光客向けの相場とはいえ比較的良心的でした。街中のお土産屋さんで買ったのよりも質のよいストールがもっと安く売られていて、あああ~やってしまった!と後悔したのでした……。何事も経験ですね。

そんなわけで、絹織物製品がほしい人にはぜひともおすすめしたいお店なのですが、残念ながら例によって名前がわからない! すみません。

あとスタッフさんの押しはどうしても強いです。こっちは旅の終盤で疲れてるんだ、勘弁してくれ……という感じでした。

インドのマサラチャイと絹織物のコースター
上に写っているコースターはここで買ったもの。

上の写真は帰国してから自宅で撮ったものですが、ここに写っている絹織物のコースターはこちらの売り場で買いました。惜しみなく日常使いできるお手頃プライス! 店員さんたちのとめどない押しと戦いながら、満足のいく買い物ができてよかったです。

その他、お土産の話はこちらの記事で詳しくご紹介しています。インドのお土産選びの見当をつけたい方など、ぜひご活用ください。

ヴァーラーナシー空港

いよいよ旅も終わりが近づいてきました。

ヴァーラーナシー空港(ラール・バハードゥル・シャーストリー空港)まで専用車で送っていただきました。丸四日間、めいっぱいお世話になったガイドさんに心からの感謝を伝え、チップをお渡しして別れました。

ヴァーラーナシー空港のセキュリティチェック
ヴァーラーナシー空港のセキュリティチェック。

上の写真を撮った背後のあたりにコスメショップがあったので、友人たちはそちらでお土産を調達。スーツケースに詰め、セキュリティチェックに通します。

余談ですが、とあるうっかりで私の荷物だけセキュリティチェックに引っかかりました。詳しくは以下の記事でお話ししています。飛行機に乗る際の電子機器の扱いについて知りたい方はぜひ。

チェックインの際、カウンターに置いてあるタグを機内持ち込みの手荷物の数だけ取っていきましょう。なんの案内もありませんが、手荷物にこれがついていないと検査時に引っかかるようです。面倒を避けるためにもお忘れなく。

ヴァーラーナシー空港の飛行機
我々が搭乗した、ヴァーラーナシー~デリー間の国内線。

国内線で一路デリーへ。

四日目 @ヴァーラーナシー~デリー機内

エア・インディアの国内線で出てきた機内食
国内線で出てきた機内食。

炭水化物祭りみたいな機内食が出てきました。左下の緑色のはチーズです。もきゅもきゅした食感の硬いお豆腐みたいなやつですね。

四日目 @デリー

デリー空港

デリー空港の様子
デリー空港のあのオブジェ、再び。

デリー空港に着きました。旅が一巡りして終わりを迎えようとしていることをしみじみ感じます。

国内線~国際線乗り換え

デリー空港、国内線から国際線への乗り換えがかなりわかりにくいです。

間違った列に並んでしまったり、案内表示を探してうろうろしたり、係員さんに聞いてみたりと彷徨ってしまったので、結局あまりよく正解がわかっていません。次来たときにスムーズに行ける自信はないです……。

とりあえず、迷子になったら係員さんを捕まえて聞くのがおすすめです。

お土産屋さん

出国手続きを終え、ショップで最後のお土産を調達します。職場へのばらまき土産などを購入しました。再掲になりますが、インドのお土産事情について、詳しくは以下の記事をどうぞ。

ここでの買い物は現金の使い切りも兼ねています。ルピーの国外持ち出しは原則禁止となっているためです(多分そこまで厳密に管理してはいないと思いますが)。余ったルピーを全額使って、足りない分をクレジットカードで支払うなどしました。

ちなみに、インドの土産物屋はたとえ空港でも押しが強いです。もはや宿命。

あと、なんかこのときレジで謎のチョコレートバーを勝手につけられそうになって(もちろんその分の金額も上乗せされている)、なにそれいらない、どういうことですか、なんですか、いらない、みたいなやりとりで若干揉めました。ああいう感じで押し通せちゃう日本人観光客も多いんだろうな……。

五日目 @成田

デリーから成田まで飛ぶ間に一夜明けて、五日目の朝。無事に日本に帰国しました。

成田空港に降り立ってまず思ったのが、

  • 静か
  • 無臭
  • 人少ない

でした。ようするに外的刺激が少ないんです。「えっ大丈夫? 人いる? あっいるね……」みたいな会話を友人たちと交わしてしまったほどです。

四日間、インドの喧騒と混沌にどっぷりと身を浸した我々。これまで10ヶ国ほど訪れてきましたが、帰国後にこんな感覚を抱いたのは初めてでした。

帰国後に成田空港で食べた蕎麦と天丼
空港で食べたお蕎麦と天丼。

日本に帰ってきたらやっぱり最初は和食! ということでお蕎麦と天丼のセットをいただきました。

ちなみに、当ブログ はじめてのインド旅行! を立ち上げようと決意が固まったのはこのときです。あれからもう1年と2ヶ月。月日の経過はあっという間です。それでもいまだにこれほど鮮明に旅のことを思い出せる、その印象の強さにもまた驚きを禁じ得ません。インド、おそるべき国です。

おわりに

さて、これにて無事この旅行記も終了となります。お楽しみいただけたでしょうか? ここまで長らくお付き合いいただきありがとうございました。

当ブログでは引き続き、非バックパッカーの初心者向けに、インド旅行のお役立ち情報をお届けしていきます。多くの方に読んでいただければいただけるほど励みになりますので、もし身近にインドに興味のある方がいらっしゃいましたら、ご紹介いただければ幸いです。

ブログの成果次第では次の展開もあるかも……? どうぞ今後ともご贔屓のほど、よろしくお願いいたします。

2018年11月17日旅行記

Posted by 真中ユエ