牛と豚は食べない。ベジタリアンも多いよ!本場インド料理の食材について
インドといえばやっぱりカレー! 香ばしいもちもちのナンをちぎっていただくスパイシーなインドカレー、おいしいですよね。
ところで、本場で実際に食べられているインド料理ってどんなものなんでしょうか? 旅行に行ってみたいと思ったとき、現地の食の様子については非常に気になるところですよね。
かくいう筆者もある理由から豚肉を食べないため、インドに行く前は「豚肉はあまり出てこないと聞くけど実際どうなんだろう。気をつけるべき料理とかあるのかな」ととても気になっていました。
本記事では、2017年9月に初めてインドを訪れた筆者が、四泊五日のツアー旅行の中で実食したお料理を振り返りつつ、インド料理の食材事情についてお伝えします。初心者目線、観光客目線の生の情報をお届けできればと思いますので、気になる方はぜひ参考にしてみてください。
旅行中に食べたもの
まずは、私が旅行中に実際に食べたものを写真つきでさらってみようと思います。インド料理以外の軽食などもあわせて載せていきます。
機内食(おやつ)
- コカ・コーラ
- 塩味のピーナッツ
行きの飛行機(エア・インディア)で出されたおやつです。
機内食(チキン)
- チキンカレー
- 豆と野菜のカレー
- ナッツとライス
- ヨーグルト
- パン
- サラダ
- 水
- とても甘いペースト状の何か(左上)
行きの飛行機(エア・インディア)の機内食その1です。チキンとベジのどちらか選ぶタイプでした。
謎の甘いペーストですが、おそらく植物性ということくらいしかわかりませんでした。にんじんとココナッツとかでしょうか……?
機内食(サンドイッチ)
- チーズと野菜のサンドイッチ
- フルーツ
- フルーツタルト
- 水
同、機内食その2です。サンドイッチの野菜は確かキュウリとトマトでした。タルトはカスタードクリーム入りです。
パルス・インの晩ごはん
- チキンカレー
- チーズとグリーンピースのカレー
- じゃがいもと野菜をスパイスで炊いたもの
- チャパティ(インド風パン)
- バターライス
デリーで泊まったホテル、パルス・インで出てきた晩ごはんです。
車内サービス(おやつ)
- ライム(?)のジュース
- ビスケット
- 紅茶
デリーからアグラに向かう列車(シャターブディー急行/Shatabdi Express)内で出されたお茶のセットです。トレーにティーバッグ、粉末クリーム、砂糖が置いてあって、このあとスタッフさんが熱湯をサーブしに来てくれます。
ライム(?)のジュースはスポーツドリンクのようなさっぱり感でした。
車内サービス(朝ごはん)
- カレーコロッケ
- 食パン
写真を撮り損ねてしまったのですが、シャターブディー急行内では軽い朝食もいただきました。
カレー味の具材を丸く成型したコロッケのようなものと、小ぶりな食パン。別添でジャムとバターがついてきます。カレーの具材はおそらく植物性だと思います。
アグラのレストランのビュッフェランチ
- ライス
- スパゲッティ
- チャパティ
- チキンカレー
- じゃがいもをスパイスで炊いたもの
- チーズのサグカレー
- バナナ、ほか
アグラのレストランでいただいたランチです。ビュッフェ形式だったのでなんでもありですが、例として上記のようなものを食べました。サグカレーとは緑色をしたほうれん草のカレーのことです。
アグラのレストランの晩ごはん
- チキンカレー
- 豆のカレー
- スパイスで炊いたじゃがいも
- チャパティ
- 赤いスープ
お昼とはまた別のレストランでいただいた晩ごはんです。右上の赤いスープがなんだったか忘れてしまいました……。酸っぱかった記憶があるので、多分トマトベースだと思います。
- サッポロポテトのような何か
追加で出してもらった揚げ物です。油分多めのしっとりもちもちしたサッポロポテトという感じでした。
- かぼちゃの砂糖菓子
食後のデザートです。かぼちゃはかぼちゃでも、私たちが通常想像するオレンジ色のかぼちゃとは異なる品種ですね。砂糖の塊を食べているかのような甘さでした。
プラザ・インの朝ごはん
- トマトのオムレツ、ほか
写真はありませんが、ヴァーラーナシーのホテル、プラザ・インにてビュッフェ形式の朝食をいただきました。
はっきり覚えているのが上記のオムレツだけで申し訳ないです。卵の中にトマトが挟まっており、塩胡椒のみと思われるシンプルなお味でした。
その他のメニューは、生から加熱調理したものまで、おおよそ野菜だった記憶があります。
観光中のおやつ
- サモサ
ヴィシュワナート寺院(黄金寺院)の近くでいただきました。玉ねぎ、豆、じゃがいもなどの具材とパイのような生地を混ぜていただきます。激辛。
ヴァーラーナシーのレストランのランチ
- ソルトラッシー
甘じょっぱい系かと思いきや、甘みはゼロ。海水並みにしょっぱい強烈なお味でした。
- パパド(しょっぱいインド風おせんべい)
- ライス
- 野菜のカレー
- 豆のカレー
- チキンカレー
- スパイスで炊いたじゃがいも
- しょっぱいヨーグルト
- 生野菜(玉ねぎ、にんじん、キュウリ)
- グラブジャムン(ドーナツのシロップ漬け)
- チャパティ
お食事はターリー(インド風定食)をいただきました。
屋台のチャイ
- レモンチャイ
ヴァーラーナシーの街中の屋台にて、ホットのレモンチャイを飲みました。甘みも酸味も両方強い、どろり濃厚な飲み物です。
プラザ・インの晩ごはん
- チキンカレー
- 野菜のカレー
- チャパティ、ほか
プラザ・インで晩ごはんをいただきました。上記は覚えている限りのもので、ほかにもいろいろ出てきています。
屋台のチャイ その2
- チャイ
ヴァーラーナシーの街中の屋台にて、ホットのチャイを飲みました。日本でもすっかりおなじみとなった、スパイス入りの煮出し紅茶ですね。
Taste Kingのランチ
- チーズのドーサ
- マサラドーサ
- シェイク、ほか
ヴァーラーナシーのレストラン、Taste Kingでいただいたランチです。ガイドさん曰く、地元民に人気のカジュアルレストランだそうです。南インド料理を多く取り扱っています。肉類を一切出さないベジタリアン対応のお店でもあります。
こちらの巨大な食べ物がドーサ、南インド料理のひとつです。パリッとしたクレープ生地に、トマト、豆、野菜などをスパイスで炒めた具材が畳みこまれています。マサラドーサは具材の中に刻まれた唐辛子が混ざっていてすさまじい辛さでした。
上二つは残念ながら名前を失念してしまいましたが、通常のツアーではなかなか食べられない珍しいお料理なんだそうです。
付け合わせとして、唐辛子とパクチーの激辛ペーストや生玉ねぎが出てきました。
機内食(パイとチーズ)
- スパイス炒めのパイ包み
- チーズ
- スポンジケーキ
- サンドイッチ
- 水
帰路、ヴァーラーナシーからデリーへの国内線(エア・インディア)で出てきた機内食です。アルミの器の中、パイの隣にある薄緑色のものはチーズです。硬いお豆腐のようなもきゅもきゅとした食感です。
以上が、四泊五日のインド旅行で実際に食べたものになります。これらを踏まえて、インド料理の食材の特徴についてまとめていきましょう。
牛肉、豚肉は出てこない
ご覧いただいた通り、少なくとも私が旅行した中では牛肉、豚肉は一切出てきませんでした。
インドは人口の約八割がヒンドゥー教徒、約一割がイスラーム教徒といわれています。ほとんどのヒンドゥー教徒は牛肉を食べず、またほとんどのイスラーム教徒は豚肉を食べません。
したがって、インドの食卓にのぼる肉類はチキンかマトンが一般的です。なお私が旅行した中ではマトンも見かけなかったため、肉といえばチキン一択でした。
野菜、豆、炭水化物、乳製品をよく食べる
インドで主に食べたのは野菜でした。料理に使われている食材のほとんどが多種多様なお野菜でした。見慣れない野菜はほとんどなく、トマト、じゃがいも、にんじん、玉ねぎ、豆など、日本人にもなじみのあるものが多く使われています。
野菜と同じくらいよく食べたのが、当たり前と言えば当たり前ですが主食の炭水化物。チャパティをはじめとした小麦粉系や、炊いたお米が出てきます。
意外なことに、日本ではインド料理としてポピュラーなナンはまったく見かけませんでした。専用の大きな窯が必要で焼くのが大変だとか、精製した白い小麦粉が高価であるなどの理由で、どうやらインド人もそこまで頻繁に食べるものではないようです。
肉に並ぶ食材として肉以上によく食べたのがパニールと呼ばれるチーズでした。キュッキュッとしっかりした歯ごたえで、カレーなどによく入っています。他にもヨーグルトやラッシーなど、乳製品は頻繁に口にしました。
なんといってもスパイス!
そして何より、インド料理といったらもう! スパイス!! これです!!!
料理、飲み物、何にでも使われており、口にしないときはありません。日本でいうところのお醤油、もっと言うと大豆加工食品全般くらいのポジションでしょうか。その変幻自在な使われ方はもはや調味料という範疇を超えています。(現に、マサラドーサには具材として刻んだ唐辛子が入っていました)
「そんなにしょっちゅう刺激物を食べたら体がつらそう」と思われる方もいるかもしれませんが、心配ご無用です。インドという土地に根付いた食文化だけのことはあって、あの灼熱の環境で過ごしていると、日本人であっても体がスパイスを求めてやまないのです。
とはいえ、辛いものが極端に苦手な人には、やはりインド旅行はちょっとおすすめしづらいかも……。「日本でいうところの辛口までなら食べられるけど、激辛はきつい」くらいの感じでしたら大丈夫です。ただし、なるべく外国人向けのレストランで食べることをおすすめします。インド人御用達のお店であればあるほど、しれっと激辛の料理が出てくる率が高くなります。
ベジタリアン向けの料理が一般的
もうひとつ、非常に印象に残っているのがベジタリアン向けの料理が一般的ということでした。機内食など、一律で同じメニューを出す場合はおそらく100%ベジでしょう。
ベジは日本ではあまり普及していませんが、たとえば欧米諸国では、健康上の理由や環境への配慮から実践する人が急増しています。
ですがインドのベジは、それとはまた異なる潮流のもの。ヒンドゥー教やジャイナ教において殺生が好まれないため、もともと菜食主義が広く根付いているのです。
そのような背景を事前に知ったうえで渡航しましたが、その浸透具合は想像以上でした。今、世界で最もベジタリアンフレンドリーな国のひとつと言えそうです。
まとめ
最後に、インド料理の食材についてもう一度まとめてみましょう。
- お肉はチキンかマトンが一般的
- 牛肉、豚肉は出てこない
- 野菜、炭水化物、乳製品、スパイスをよく食べる
- 菜食主義が根付いている
いかがだったでしょうか? インド旅行の食について、おおよそのイメージが掴めたでしょうか。これから初めてインドに行きたいと思っている方の参考になったなら幸いです。