2017秋・四泊五日北インド弾丸ツアー旅行記(ヴァーラーナシー・寺院巡り編)
インド初心者向けに、同じ初心者目線から生の情報をお届けしている本ブログ。「お役立ち情報もいいけど、実際の旅の様子も知りたい」とのお声を受け、旅行記シリーズの連載を始めました。
五回目となる今回は、ヴァーラーナシー(バラナシ/ベナレス)の寺院巡りの様子をメインにお届けしていこうと思います。
この旅行記は複数記事にわたる続きものとなっています。第一回は下記のリンクからどうぞ。シリーズの概要、および旅の概要についてもあわせてご紹介しています。
前回の記事はこちらです。
三日目 @ムガール・サライ駅
寝台列車プールヴァ急行(Poorva Express)で夜通し走り、翌朝6時頃、ムガール・サライ駅(Mughal Sarai Junction Railway Station / Pt. Deen Dayal Upadhyaya Junction)に到着。ヴァーラーナシーの郊外に位置する駅です。
寝台列車の様子については前回の記事をご覧ください。
ムガール・サライ駅からヴァーラーナシー市内のホテルまで、専用車で1時間ほど走ります。道々風景を眺めていると、デリーやアグラとは雰囲気が一味変わってきたことがわかります。より「ディープなインド」らしくなってきました。
ムガールサライ駅からヴァーラーナシーに向かう道中。
たくさん見えるトラックは石炭を運んでいるんだそう。#manakainindia2017 pic.twitter.com/rltPPG2fnU— 真中ユエ (@manakayue) November 1, 2017
三日目 @ホテル プラザ・イン
ヴァーラーナシー駅からすぐ近くのホテル、プラザ・イン(Plaza Inn)に到着。ホテルでビュッフェ形式の朝食をいただき、作りたてのトマト入りオムレツなどを頬張りました。
以下の記事にプラザ・インの詳しいレビューを掲載しています。ヴァーラーナシーでスタンダードクラスのホテルを探している方はぜひ。
部屋に荷物を置き、身支度を整えたら、いざヴァーラーナシー観光に出発です。
三日目 @ヴァーラーナシー市街
ガンガー(ガンジス河)のほとりに位置する街・ヴァーラーナシーは、世界でもっとも古い街のひとつです。ガイドさんによれば実に四千年、西暦の倍の歴史を持つとのこと。ヒンドゥー教最大の聖地として、国内外から多くの信者が集います。
ディープな宗教都市とあって、市内にはお寺やモスクが無数に存在します。今回はその中でも特に代表的な二つの寺院を見学してきました。
ドゥルガー寺院
一つ目はドゥルガー寺院。戦いの女神ドゥルガーを祀るヒンドゥー教のお寺です。ドゥルガーはシヴァ神のお妃で、十本あるいは十八本の手に神授の武器を持つ恐ろしい女神です。
敷地のそばにはお供え物を売る商人さんがずらり。ここに限らず、ヒンドゥー教ゆかりの場所はどこも極彩色の花で溢れていて目に鮮やかです。ガイドさんもここでお花を買っていました。
わかりにくいですが、右下の文字が書かれている赤いゲートが本堂への入口です。左側で履物を脱ぎ、裸足になってから入ります。手荷物検査はなく、内部は撮影禁止です。
このように、寺院巡りではたびたび裸足になるのでサンダルがおすすめです。基本は靴下にスニーカーですが、寺院巡りの際はそれだとちょっと煩わしいです。サンダルは市内のバザールにたくさん売っているので、お土産もかねて現地調達するのもいいかもしれません。
履物の話も含め、観光旅行の服装については以下の記事で詳しくお話ししています。役立てていただければ幸いです。
話をもとに戻して、ドゥルガー寺院について。ガイドブックには「本堂はヒンドゥー教徒のみ入れる」と記載されていましたが、私たちは問題なく見学することができました。仏教はヒンドゥー教の一派とみなされているそうで、アジア人は比較的入場しやすいのだそうです。
のちに訪れるヴィシュワナート寺院も含め、ガイドさんに「ヒンドゥー教の大事なお寺だから」と繰り返し念を押されたのが印象に残っています。敬意をもって真面目な気持ちで見学するよう、肝に銘じておきたいですね。
内部の様子を文字だけでお伝えするのは難しいですが、石造りの床に粘土の感触、お香の煙、鐘の音、大勢の参拝客、熱心に祈る人々、本堂の周りに静かに座るお坊さんたち、うず高く積まれた色とりどりのお供え物、まぶしい日差しに映える赤……。そんなふうな景色に出会いました。
ドゥルガー寺院のそばに四角い広い池があるのですが、ガイドさんがこれを見て一言。
いわく、普段は特段手入れされていない(身も蓋もない言い方をすれば汚い)池なんだそうで、こうして水が綺麗になって、周りが鮮やかに飾りつけられているのは、近く首相が訪れるからなんだそうです。実際、翌日には装飾がすっかり取り払われていて、ユーモラスで現金な有り様にふふっと笑ってしまいました。
ドゥルガー寺院のすぐそばにはガネーシャを祀るお寺もあります。小ぢんまりとしていますが、大勢の参拝客が絶えず出入りしていました。私たちはこちらの中には入りませんでしたが、ガイドさんが個人的にお祈りをしていました。
街中の様子
ヴァーラーナシーに限りませんが、インドの街中には常に人の声とクラクションの音が溢れています。視界もごちゃごちゃとした情報に溢れていて、結構疲れます。
個人的に人混みがあまり好きではなく、日本の都会も同様に苦手なのですが、日本とインドではストレスの質が少し違うように感じます。日本は「誰もが互いに監視しあっている窮屈さ、遠慮の気疲れ」といった印象、対するインドは「人も環境も遠慮がない、外的刺激の多い疲労」といった具合です。
ヴィシュワナート寺院(黄金寺院)
寺院巡りの二つ目はヴィシュワナート寺院、通称黄金寺院です。聖都ヴァーラーナシーの中心地であるとともに、破壊と再生の神・シヴァ信仰の中心地でもある、極めて重要なお寺です。
ヴァーラーナシーには「ヴィシュワナート寺院」という同名のお寺が二つ存在します。ひとつは今向かっている黄金寺院、もうひとつはバナーラス・ヒンドゥー大学の構内にある白色の静かな寺院です。後者については以下の記事をどうぞ。
商店が軒を連ねる細い小道を進んだ先にお寺があります。道には人とバイクと牛が絶えずわちゃわちゃと行き交っています。
この旅行中、もっともセキュリティが厳しかったのがこのヴィシュワナート寺院でした。すべての荷物を近くのロッカーに預け、靴を脱いで裸足になり、パスポートだけ手に持って身一つで入ります。スマホも帽子もスカーフもミネラルウォーターもアウト、すべてロッカーに預けます。
参拝客たちに混ざって揉まれながら中へ入ると、金箔で覆われた見事な尖塔が眼前に姿を現す……はずなのですが、見学当時は頭上を見上げる余裕がなく、私的には入口付近の銀色のイメージが定着してしまいました。
極めて重要な場所であるにもかかわらず、寺院は連なる家々の中に埋もれるようにして建っていました。中は巡礼者とお坊さんとで溢れかえり、熱気に包まれながら芋を洗うように祈りを捧げる……そんな場所でした。無尽蔵にさえ思えるインドのパワーを、文字通り肌で感じてきました。
見学後、身支度を整えているうちにガイドさんが近くでサモサを買ってきてくれました。いわく、ガイドさんの大好物とのこと。
これがもう容赦なく辛い! おいしいけど本当に辛い!
しかしさすがはローカルフード、体が欲してやみません。舌は悲鳴を上げているのに、暑さと疲れが相まってなんとか摂取したいという気持ちになるし、実際とてつもなくおいしく感じるんです。
辛いものがあまり得意でない私は、残念ながら数口でギブアップしました。辛いもの好きの友人とガイドさんが私たちの分までおいしそうに頬張る姿を横目で見ながら、羨ましいなあと心から思ったのでした。
なお、旅行中に食べたものは以下の記事にまとまっています。食材や辛さなどの特徴についても書いていますので、気になる方は読んでみてくださいね。
(↓続きはこちら)